良い革って何?見分け方。
一般的な【良い革】とは?
- ツヤツヤしてる。
- 深みや透明感がある。
- 丈夫で長持ちする。
- 使うほどにツヤや味が増す。
良い革とダメな革を並べると雲泥の差があり、誰でも見分けがつきます。
最高と最低を知るとあとはその間のどこのレベルかを判断するだけです。
革一枚を全体で見ると分かりやすいですが、製品になると面積が小さく、良い部分を選別しているので判断しにくいです。
ここでは見分けるポイントと良いとされる革種ごとの特徴をお伝えします。
- 良い革/ダメな革
- 世界三大レザー
- 良い牛革
- 良いエキゾチックレザー
- 選ぶ時の落とし穴
良い革の4つの共通点
趣味で使っていた革もあるので合わせて解説していきます。
良い革とされるものは主に下記の4つの特長を持ちます。
1.ツヤ感がある
とにかく艶、光沢。
ここでいうのは地艶原料の良さや、肌理の細かさからくる自然な光沢のことです。
安い革の加工での光沢やエナメルやビニール的な人工的な光沢とは明らかに違う光り方です。
新品では素の状態で光沢がない革もありますが、良い革は磨けばすぐ光沢が出ます。
良い素材には革に限らず、多くは光沢があります。私は本業で布地を扱いますが、良い生地も光沢があります。
光沢は宝石や貴金属にも通じる昔からの変わらぬ価値観なのかもしれません。
2.肌理が細かい
肌理の細かさも光沢がでる要因なので重要です。単純に表面がキレイに見え、平滑なので光沢があります。
シワの入り方もひじょうに細かく上品で、革を曲げた時の入りかたで判断します。
どちらも一流の革ですが左のワインハイマーのほうが肌理が細かいのがわかりますか?
これらは、どちらもアノネイ社ボカルーカーフで部位の違いです。右が粗いのは革の端の部分だから。
部位によっても結構違いが出ます。◯◯社の◯◯革だけでは判断できない理由です。
3.長持ちする=使うほどに味が出る
個人的には見た目のキレイさよりも「良いもの=耐久性」ではないかとも考えるようになりました。丈夫だと長持ちしますし、長く使ううちに変化して、たとえボロくなっても良い味の出かたなんですよね。
デニムだとか革物がそうで、最初は総じて厚く硬いです。長く耐えた物がヴィンテージとなりカッコいいですよね。光沢感とは違い一般受けはしにくいですが…
革は使うほどに鞣しの際のタンニンや油分が表出し光沢がでます。逆に耐久性がないものは、味になる前にボロくなります。
4.シワやキズがない
先ほどの一流の革ですがシワやキズは天然物なので多かれ少なかれ入っています。
パーツの裁断の時にキズやシワを避けるのですが、安い物は残っているものもあります。
高級品はトラや血筋も避け、一枚革の良い部分のみ使うブランドもあります。
ダメな革
長年趣味でカバンや革小物、靴を作っているのでプライベートでも革屋によく行きます。
東京の浅草橋には個人向けに激安革店があるので、ザーっとみるとダメな革も多く傾向がわかります。
写真の革はレザークラフトをやり始める時に何も分からず買った革。
シワも粗く、厚みがあり、判も大きかったので成牛でも一番大きいブルハイドのクロムなめしだと思います。
一概にダメなわけでは無いですが肌理の粗さの例として出しました。
- 安っぽい:ビニルのような表面感、厚塗りの顔料で革感が無い。
- シワが多い
- 肌理が粗い
- ツヤがない
- ボソボソしている
- 色が変
元の革質の悪さをごまかす加工物も多いですね。上げればキリがないですが、総じて良い革の逆です。
ここのアウトレット品を見てもらえるとダメな革がわかると思います。
一流の革にもダメな部位は存在する
一流の革にも使えない部位はあります。トラや血筋、傷もありますし革の端に行くほどシワも多くなります。
メーカーによってどれだけそれらを避けるかでコストも変わってきます。
世界最高峰のビスポーク品では最高の皮革から一枚の中で良い所を靴一足分だけ取るところもあります。
逆にいうと安い製品ではできるだけ端まで使いますし、それでも「◯◯タンナーの革」と言えるのでそれだけで過信はできません。
写真はエルメスでトリヨンクレマンスとして使われているペリンガー社のシュランケンカーフです。
端切れが安かったので買ってみました。右の写真左上の部分以外は使えませんね。
通常製品で使えないような部分でもエルメスで使われている革を使っていると言えるのでウソではありません。
最近はトラや血筋に関しても、味と捉える消費者も多くなりました。明らかな傷でも味としてうたう所もあるので注意が必要です。
革の良し悪しは好みも含みますので、ここではダメな革と言っていますがそれが好きな方もいると思います。
代表的な革の種類
ここまででザックリとした傾向はお伝えしたので、ここからは少し詳しく「革の種類ごと」に解説します。
革の種類ごとに特徴がありそれぞれに有名な皮革があります。上記、主な革の種類です。
革の特長である“丈夫さ”も大事です。一般的にいわれている革の強い順に右から並べました。
強いほど高価になる傾向があり、長く使えるほどに味が出てきます。
革ごとに各々の良し悪しがあるので順に説明していきます。
良い革➡世界三大レザーとは?
先ずは世界三大レザーと言われる、🇬🇧ブライドルレザー/🇺🇸コードバン/🇮🇹イタリアンレザーから。
偶然なのか、どれもメンズファッションの中心的な国ですね。
良い革製品では必ずでてくる、世界的にも評価の高い革で、世界最高峰と言えます。
🇺🇸コードバン(馬革)
最高峰は🇺🇸ホーウィン社の「シェル・コードバン」
財布の定番素材コードバン(馬革)。農耕馬のお尻の部分で繊維が密な層があってメチャクチャ丈夫です。
「革のダイヤモンド」といわれるほど希少で光沢感があります。
中でもオイル仕上げのシェルコードバンはヌラヌラとした光沢と、ムラ感のある表情で愛好者が多いです。
最近ではイタリアのロカド社もイタリアらしい色気のあるコードバンを出しています。見た目が特徴的でジョンロブのミュージアムカーフに似ていますね。
説明不要でタダモノではないとわかります。
コードバンのタンナー
有名なコードバンのタンナーと言えば🇺🇸ホーウィン社と🇯🇵新喜皮革の2社。
それに加えて宮内産業やイタリアのロカド社。タンナーではないのですが仕上げ加工で千葉にあるレーデルオガワがあります。
タンナー | ホーウィン🇺🇸 | 新喜皮革🇯🇵 | 宮内産業🇯🇵 | レーデルオガワ🇯🇵 | ロカド🇮🇹 |
生産国 | アメリカ(シカゴ) | 日本(姫路) | 日本(長野) | 日本(千葉) | イタリア(トスカーナ) |
仕上げ | オイル | オイル 顔料 | 顔料 | 染料(アニリン) オイル | オイル |
×似たような見た目のガラスレザー
コードバンに似ている革でガラスレザーがあります。ガラスに貼り付ける工程で表面がツルツルになります。
顔料塗装で仕上げるので人工皮革っぽくなりますが、原皮の傷などがごまかせます。
手入れが楽ですし防水性があるので雨の日に最適です。
国産のランドセル用のコードバンも顔料仕上げで見た目が似ているので判別が難しいです。
ガラスレザーで有名なのは英国老舗靴メーカー“チャーチ”の定番レザー:ポリッシュドバインダーカーフ。
🇬🇧ブライドルレザー(馬具用)
馬具用で開発された特殊加工の堅牢な牛革。
成牛のカウハイドを数ヶ月ピット槽に漬け込みグリースなどを革に浸透させることで丈夫になります。表面の白い粉(ブルーム)はそのグリースが表出した現象です。本場は英国で数社タンナーがあります。
ブライドルレザーのタンナー
ブライドルレザーの本場は英国の老舗が多いです。下記タンナーがほとんどで良くでてきます。
タンナー | 🇬🇧Joseph Clayton | 🇬🇧Thomas ware | 🇬🇧J&F.J.BAKER | 🇬🇧J&E SEDGWICK | 🇺🇸Herman Oak |
クレイトン | トーマスウェア | ベイカー | セドウィック | ハーマンオーク | |
備考 | – | GANZO AVON | オークバークの靴底で有名 | GANZO THIN BRIDLE | アメリカ大手 |
下記は珍しいオークバークなめしのブライドルレザー。ホワイトハウスコックスオリジナルで今後手に入らなくなりそうですね。
×【注意!】似た見た目の蝋引き加工
似た見た目の「蝋引き」は表面にロウが塗られている化粧のようなものであまり意味はないです。
🇮🇹イタリアンレザー
トスカーナで作られるバケッタ製法のレザー。
世界三大レザーにも数えられ、トスカーナ州サンタ・クローチェの伝統技法バケッタ製法が有名です。
バケッタ製法は長時間ピット槽に漬け込んだベジタブルタンニンなめしの革にオイルを染み込ませた革で、使い込むほどにメチャクチャ味が出ます。1000年以上前から変わらぬ技法です。
イタリアンレザーのタンナー
「Badarassi」「Lo Stivale」「Tempesti」が御三家とされ、小規模なタンナーが多数あります。
タンナー | 🇮🇹バダラッシ・カルロ社 | 🇮🇹ワルピエ社 |
有名な革 | ミネルバボックス ミネルバリスシオ プエブロ | ブッテーロ |
×イタリアンレザーの注意点
世界三大レザーの指す「イタリアンレザー」はトスカーナでのバケット製法で作られた革をさします。
ネーミングが一般名称なので、イタリアの革全てに「イタリアンレザー」と言えなくはないので注意が必要。
説明に「トスカーナ」や「ピット槽鞣し」「バケッタ」などの言葉を探してみてください。
知識があればだまされずに済みます。もちろんバケッタ製法でなくても素晴らしいイタリアの皮革は多いです。
【イタリアンレザー】おすすめメンズ財布特集|日本製4ブランド
良い牛革
もっとも広く使われる一般的なレザーは牛革です。
牛革は幼い仔牛ほど肌理が細かく、なめらかで高級感が有ります。繊細になるほど耐久性は落ちます。
ステアやブルは大きい分、見た目もラフになり高級感はありませんが、丈夫で長持ちします。
*ブライドルレザーは牛革のカウハイドをロウを染み込ませる加工革で、かなり特殊です。
🇩🇪ボックスカーフ
牛革の最高峰と言えばボックスカーフ。肌理が細かく、光沢もあるので抜群の高級感があります。カーフは一番見た目が良いのですが耐久性の面ではやや劣ります。柔らかいので靴に使われることも多いですね。
ボックスカーフはカーフをクロムなめしで短時間の仕上げるのでハリ感があります。
肌理の細かい見た目はなめらかで抜群の高級感があります。
以前は🇩🇪カール・フロイデンベルグが有名でしたが環境規制のために廃業し、今は伝説的になっています。
そのレシピを引きついだのが🇩🇪ワインハイマーといわれています。
ボックスカーフはドイツ以外のタンナーも製造しています。
タンナー | 🇩🇪カール・フロイデンベルグ(廃業) ➡ワインハイマー | 🇮🇹イルチア | 🇮🇹ゾンタ | 🇫🇷アノネイ | 🇫🇷デュプイ |
創業 | 1849-2000➡2003〜 | 1930 | 1950 | 1838 | 1948 |
ヌメ革
ベジタブルタンニンなめしの革で加工などをしていない”革の元祖”に近い革のことを「ヌメ革」と読びます。
ヴィトンの取っ手などに使われているベージュの革が有名ですね。ヴィンテージのトランクなどに使われている昔からある革です。ヌメ革は仕上げのバリエーションはありますが、表面は革本来の毛穴や細かいシボが残っており、使うほどに味が出ます。
ヌメ革にも上図の種類があり、成長するほど丈夫でラフな見た目になります。
ちなみに栃木レザーのヌメはステアがベースです。
ヌメ革のタンナー
タンナー | 🇯🇵栃木レザー | 🇯🇵姫路レザー | 🇮🇹トスカーナ州 |
備考 | 栃木にある ヌメ革専門タンナー | 姫路は日本のヌメ革の6割シェア 数百社タンナーがある地域 | 世界三大レザーのイタリアンレザー もヌメ革の一種です |
ヌメ革の種類
製品ではあまり出てこないワードもありますがレザークラフトではお馴染みの革です。
ヌメの種類 | タンロー | ヌメ | オイルヌメ | サドルヌメ | グレージング加工 |
説明 | 染色も何もしていない | 染色のみ | オイル仕上げ | 撥水加工で馬具用 | メノウのローラーで擦って光沢を出した革 |
エンボス/型押し
ラグジュアリーブランドで見かける型押し革。型押しのデザインで特長を出せるのでブランドごとに種類があります。
エンボスの有名な革とタンナー
ヨーロッパ産で名の通ったタンナーの物なら安心です。ラグジュアリーブランドで採用されることも多く、ベースの革も良いものが使われていて、センスの良いカラーが揃っています。
エンボスは表面の凸凹で傷が目立ちにくいメリットがあります。一方、表面の誤魔化しが効くので質の低い革で採用されることも多く、品質の幅が大きいです。
良いものは光沢があり型押しが均質でキラキラしています。
ブランド (タンナー) | 🇫🇷デュプイ | 🇩🇪ペリンガー | 🇮🇹ワインハイマー |
名称 | チェルケス | ノブレッサカーフ | ワープロラックス |
ヒロアンの代表シリーズ。🇮🇹オーバー・ロード社のエンボスレザーシリーズ。
スエード
表皮の裏面をサンドペーパーなどで毛羽立たせたレザーです。
もともとは羊革や豚の小動物の皮でしたが、最近では牛革もベースに作られます。
表革と違い割れの心配もないですし、防水スプレーをすれば起毛の表面張力で水をよく弾きます。
スエードの毛羽が細かく繊細なほど高級です。最上級は表革にもできる原皮を使った吟付き。
吟付きスエード
スエードの最高峰
スエードは革の裏を使うので通常表革に使えなかった品質の原皮が使われます。
吟付きは表革でも使える高品質な原皮を使い、吟面も残した最高峰のスエード。
革は吟面が一番強いので、吟面が残っていると強度もあがります。
スエード
有名なスエードといえば英国の老舗チャールズ・F・ステッド社。
中でもスーパーバックと呼ばれるスエードが有名で、高級靴などに使われます。目が細かく繊維もギュッと詰まっていて裏側はコーティングで補強してあり非常に丈夫なスエードです。
スエードのタンナー
スエードのタンナーといえばやはり英国の老舗チャールズ・F・ステッドが上げられます。
タンナー | 🇬🇧チャールズ・F・ステッド社 | 🇬🇧チャールズ・F・ステッド社 |
名称 | スーパーバック | ジェネスカーフ |
説明 | 成牛/スプリットバット部 裏コーティング | 銀付きスエード スエード最高峰 |
【類似革】スエードに似た革でよく間違えます。普通に良い革です。
ヌバック➡表側の吟面をヤスリがけ
ベロア➡牛革などの大型の皮の裏をヤスリがけ。毛羽が長くカジュアルな印象。
爬虫類革/エキゾチックレザー
個性的な美しさのエキゾチックレザー。
一般的には哺乳類系よりも爬虫類が強いです。身を守るために繊維が密になりまさに鎧、長く使えます。
クロコダイル
革の王様クロコダイル
爬虫類でもクロコダイルは別格で牛革の10倍ほど強いといわれています。クロコを分類すると下記の4種。4種類のうちの別名も含めていずれかの記載があれば間違いないです。
クロコはワシントン条約で保護されているので扱いも別格。取引には証明書も発行されるので掲載されることも多いです。厳格に管理されているので雑な扱いでは出てきません。
スケールが小さいほど高価な傾向にありますが4種の差は素人目では判別できません。
一番希少な品種がスケールスモールクロコ=イリエワニ=ポロサスのいずれかで記載されているはずです。
ポロサスは他の種より顕著な差があるというよりは希少なため高値がついています。
下記はクロコメーカーで撮らせてもらった写真。種別以外にも個体差や仕上げの差もあるので見分けるのは難しいです。上段4つが正式にクロコと呼べる品種。
詳しくは全日本爬虫類皮革産業協同組合様のHPで写真付きで解説されています。
*クロコは型押しの牛革も多くもちろん別物です。
【ワニ革まとめ記事】
➡ワニ革【長財布】61種形状別まとめ比較表★日本ブランド
➡ワニ革【二つ折り財布/ミニ財布/コインケース】51種比較表
リザード(トカゲ革)
爬虫類の丈夫な革で、特徴的な鱗模様は色気があります。クロコほどのクセはないので持ちやすいですね。
原皮が小さいトカゲが多く時計ベルトでよく見ます。財布がつくれるくらいの大きいリングマークトカゲは希少です。
ピカピカな光沢仕上げは瑪瑙やガラスのローラーで圧をかけながら長時間こすることで生まれます。
エイ革/ガルーシャ➡最高の強度
クロコよりも強いエイ革
革の中でも最も強いと言われています。かなり特殊な革で主成分は人の歯と同じリン酸カルシウム。
そのぶん針も通らず縫製が難しく扱っているブランドが少ないです。
激レア種「梅花皮」
エイの中でもレア種が存在していて梅花皮と呼ばれます。読んで字のごとく革のつぶつぶに花の模様を持ったエイで1000匹に一匹いるかどうかと言われています。
いい革を選ぶには?買い物の時の注意点
NET上で買い物をする機会が増えて、店頭以上に解説を見ながら選べるようになりました。
ですが、凄いことを言っているようで何も言っていない大げさな説明もよく見かけます。
この記事に書いているような情報を一通り知っていればダマされません。
注意点
下記の場合、注意して見てください。良さそうではありますが安い商品なら注意深く確認しましょう。
○○タイプ。○○調。
イミテーションです。〇〇をマネた似ているものです。
明らかに相場より安い場合。
商品ページに書かれていることをくまなく見てください。何かしら安い理由が見つかると思います。
- 商品写真のパット見
- 傷やシワ
- 内装の革質
- 裏地の有無
- 縫製のキレイさ
- 生産地
欠点が見つかった場合はそれが許せる範囲ならばあとは個人の判断になります。
「天然皮革につきご了承ください。」
天然素材なので傷や、シワ、トラや、血筋などが入るのは多少はしょうがないですが、ホントにそれらがあっても許容できるか判断してください。不良品レベルでも了承してくださいと言っている場合もあります。
イタリアンレザー
名称が一般名称なので利用される可能性もあります。もしトスカーナ州のバケッタ製法の革をほしいのであれば、説明に「バケッタ」「トスカーナ」「ベジタブルタンニン鞣し」ここで紹介している「タンナーの名前」などを見つけてください。安い製品で高い革を使っているなら、説明しないのは考えにくいです。
栃木レザー
「栃木レザー」の革を使った製品が増えましたが、偽っているブランドや個人出品もあるそうです。(公式HP参照)。タンナーからは正規品の証ということで赤いタグが発行されています。
聞いたことのないタンナー
気にして見ていると紹介している老舗の良いタンナーは名前が良く出てきます。
それ以外のタンナーの名前が出てきたら検索してみてください。
例えば激安ブランドの革をつくるタンナーもありますし、有名でなくてもその名称を仰々しく書けばそれっぽく聞こえます。
フルグレイン/トップグレイン/ジェニュインレザー
表記もあまりないのですが、「フルグレイン」と出てきたら良いものと思っていいです。
革の層のどの部分を使っているかの表記です。
革の断面図で上が表面で吟面と呼ばれます。
- フルグレイン
- トップグレイン
- ジェニュインレザー
上の層ほど表面で上等になります。
革は表面ほど繊維が緻密で丈夫になり肌理が細かいです。
ですが表面に傷があると表面を削ってならすのでいい部分が無くなります。
最高品質はフルグレインレザー
フルグレインレザー:表面に傷などなく削らなくともそのまま使えるトップグレードの革。
フルグレインは毛穴がほとんど目立たず綺麗です。皮によってはシボのあるものもあります。
動物本来の表面感ですね。高級革の中でもレアです。
トップグレイン
高級革でもこちらが多いと思います。表面を削っているので毛穴がフルグレインよりは目立ちます。
表面を削っているためキレイにも見えます。
GENUINE LEATHER(ジェニュインレザー)=本物の革
このマークは安い製品に合皮と区別するために付いています。本革の証明ですが=良い革というわけではありません。
難しいので最後にしましたが下記フォーラムで議論しているのを見るとある程度把握できるかと思います。
マニアの中でも意見が割れているので各自で判断してみてください。
フルグレインVSトップグレイン(海外フォーラムサイトでの会話)
いい革|Q&A
- Q世界三大レザーとは何ですか??
- A
🇮🇹イタリアンレザー/🇺🇸コードバン/🇬🇧ブライドルレザー
どれも特長があっていい革です。
- Qイタリアンレザーはなぜ安いのですか?
- A
イタリアのレザーにもピンキリがありますし、品質の低い安い革もあります。
「イタリアンレザー」➡バケッタ製法に限定するなら安い革ではないので、製品もそれなりの値段になると思います。
イタリアンレザーと書いてあったらそれが何をさしているのか注意して見てください。
- Qイタリアの革の特徴は?
- A
代表的なバケット製法の革は使い込むほどにツヤッツヤの味出まくりです。
それ以外の革でも色気とファッション性があり誰が見てもわかりやすい良さがあります。下図のような国ごとの製品やファッションの特長を捉えておくとわかりやすいです。
日本🇯🇵 | イタリア🇮🇹 | イギリス🇬🇧 |
品質優先 | 見た目優先 | 伝統重視 |
欠点が無いことを重視。 | デザイン至上主義。 | 道具として必要以上の品質は求めない。 長持ちが大事。質実剛健 |
- Q最も高価な革は何ですか?
- A
クロコダイル。その中でもポロサスと呼ばれる品種が最も希少とされていて高価です。
エルメスが確保しているためその他の大型ラグジュアリーブランドでも手配できないそう。
*珍種やレア物を除きます。
いい革|まとめ
いい革が高い理由も、安い革がダメな理由も必ずあります。
失敗のリスクを取って安くて良い物を探すのか、信頼されるメーカーから選ぶか。
安い物には安い理由が必ずありますが、安くなっている理由が気にならなければ有りだと思います。
今は情報が多いので逆に迷うことも多いですよね。ウェブ上での買い物も増えたので、説明書きを見る機会も多くなりました。基本的な知識があれば判断できますが、よく分からずそれっぽいことを言われると騙されます。
私も「ん?」と思う説明をそれなりに見かけます。そんな時は装飾された言葉を排除すると本質が残ります。
疑い始めると疑心暗鬼になりキリがないので、信頼のあるブランドを見つけるのが早いかも知れません。
そんな時は定評のある老舗メーカーがオススメです。時代を超えて支持されるということは、多くの人が満足できる品質の証です。実際にそういう場合が圧倒的に多いです。
失敗しないためには
「目利きと知識を習得するか」、「信頼のおけるブランドを選択するか」になると思います。
MARU
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